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房一は苦が笑ひをした。
「いや」と、喜作は相変らずきつぱりと、煩うるさがりもせず答へた。
「まあ、のみなさい」
「をかしいからとは何ごとだ。火事だといふから手伝ひに来たんぢやないか、そして溝に落ちたのが何がをかしいんだ」
「きさまか、鬼倉ちふのは」
六
「おぢいさん、そんなに立つてばかりいないで腰をかけなさいよ」
「いや、なに」
正文は顎をつき出しては一寸笑つて、ふむ、ふむ、とひとりでうなづいていた。
「便所に化物が出たそうです。」
房一には連れが二人あつた。
と、無邪気に、呆あきれたやうに云つた。
と、房一の近くで云ふ声が聞えた。今泉らしかつた。つづいて同じ声が
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