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    房一は苦が笑ひをした。

    「いや」と、喜作は相変らずきつぱりと、煩うるさがりもせず答へた。

    「まあ、のみなさい」

    「をかしいからとは何ごとだ。火事だといふから手伝ひに来たんぢやないか、そして溝に落ちたのが何がをかしいんだ」

    「きさまか、鬼倉ちふのは」

    「おぢいさん、そんなに立つてばかりいないで腰をかけなさいよ」

    「いや、なに」

    正文は顎をつき出しては一寸笑つて、ふむ、ふむ、とひとりでうなづいていた。

    「便所に化物が出たそうです。」

    房一には連れが二人あつた。

    と、無邪気に、呆あきれたやうに云つた。

    と、房一の近くで云ふ声が聞えた。今泉らしかつた。つづいて同じ声が

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